津名道代作品年譜 2007//現在

3)平成元年(1989年)以降

 

◆平成元年 1989

 ★1月

  (1月7日 天皇陛下崩御 同8日より平成と改元)

 ○ 「障と友もどちよ怒れ この道はいつか来た道」 (全国難聴者連絡協議会機関紙 「新しい明日」 62号 コラム 「窓」 平成元 1989 年1月30日発行)

 ★1〜3月

 肝臓の具合い、 いまひとつ。

 ★3月

  (「清姫は語る」 の第T部、 ワープロ定稿つくる。 第T部の 「参考メモ」 書き継ぐ)

 ○ 「二つの小さな 「事実」 から  昭和二十七年頃の学生生活」    (奈良女子大学八十年史 平成元年3月25日発行 338342ページ)

 ★4月

 ○対談 創造する女性たちとI (全20回 男女一人づつ対談シリーズの締くくり号) (詩誌 「花のゆくえ」 37号 1989年4月1日号 和歌山市西浜)

 ★5月

 ○ 「なんちょう心理  知られざる人間風景  第1回 はじめに」 (全国難聴者連絡協議会機関誌 「新しい明日」 63号 新連載 平成元年5月22日発行)

  (かねてから執筆を計画していたもの。 昨夏から病床でようやくワープロに向えるようになったが、 第1回稿は昨秋編集部に送ってあった。 半年以上経て、 ようやく掲載。 すでに第5回位までワープロに打ち込んである。

 この読みものは、 私が、 聴覚障害関係の書きものとして、 必ず必要とかねてから考えていたものの一つである。

 障害者問題・同運動の中で聴覚障害関係は、 他部門に比べて著しくおくれているのが現実だけれども、 それは、 聴覚障害というものの生理的現実が、 外そとから分りにくいことに大きな原因 (聴覚障害から原因まで傍線) があると、 気づいて久しい。 (ろう学校教育でさえ、 この生理的現実にもとづかず、 一人歩きしている事実を、 一昨年、 昭和62年夏、 いやというほど知った  滋賀県立湖南寮での講演時に。)

 この連載は、 この方向に少しでも資する目的で、 かねて考えてきたものだ。

 主題は 「難聴者の生理と心理」 が正しい。

 しかし、 ほとんど未開拓な分野であり、 また、 生理学、 医学、 心理学などのキチンとした基礎知識が私にはないので、 どこまで書けるか、 いささか不安でもある。

 ★5月〜7月

  『清姫は語る』 の〈第U部〉の諸エッセイ書き継ぐ。 第U部の構成は大体七つ位のエッセイから成る。 次のようだ。

  (一) 「清姫伝説」 の誕生と推移展開 (付) 清姫伝説関係人名・地名  文献による異同一覧

  (二) 「清姫」 という名の由来をさぐる (付) 「安珍」 「庄司清次」 の名由来

  (三) 「清姫伝説」 形式のキーワード 「栗くる栖す」 地名を探る  

  (四) 黄金づくり 「一寸八分」 の小佛像  海中出現とその霊験譚

  (五) 日本の歴史の底を流れる巨大な情念マグマ  先住 「国つ神」 と後侵 「天の神」 とのたたかいは、 情念の型として今も日本人の意識の底を流れる (国つ神・龍蛇族の末裔による 「剣」 「鐘」 の奪回)

  (六) 母性・姉性・妹性   「姉性」 の審きと清姫  

  (特に (三) はそれ自体で一冊の本になりうるテーマと量。 困った。 (五) も日本の 「史観」 の根本問題として、 かなりの量になる。)

 ★6月〜7月

 ○ 「師父抄  刻悲発願」 (=第一巻) のワープロ定稿をつくった。

 今年の7月12日は、 師父の13回忌である。 「師父抄 正続7巻」 は、 手書き、 コピー仮製本で各8部つくってあるけれども、 十三回忌でもあり、 ワープロでその第一巻を作ってみたのである。 普通の書物にするとA5判1ページ17行組で100ページくらいになった。

 ごく短い解説 (凡例的なもの) を付記した。

 しかし、 右の 「師父抄  刻悲発願」 (=第1巻) は、 全体が詩のような組だから、 これだけの量に収まるが、 第二〜七巻 (= 「続師父抄」 第1〜6) は、 エッセイ・論文を含み、 ベタ書きだから、 かなりなページ数になると思わねばなるまい。

 また、 これは、 部数をそうたくさん作っても、 仕方あるまいとも考える。 (その点、 まだ迷いがあるのだ。)

 ★9月

 ○ 「なんちょう心理  知られざる人間風景から   第2回 談笑のなかの孤独」

  (全日本難聴者・中途失聴者団体連合会機関誌 「新しい明日」 651989年9月23日発行)

  (以下、 記載の会名を 「全難聴」 と略称する)

  (全難聴が法人認可に伴い、 会名を変更した。 更に長たらしくなったが、 正確上やむを得ない。 略称は 「全難聴」 で同じ。 正式にはこの会名の上に更に 「社団法人」 が付く)

 今月は 「清姫は語る」 の第U部 「清姫への道」 の諸エッセイ、 ワープロで書き継ぐ。 特にその (五)。

 ★10

 ○ 「本音を育てる  時代とわたしひとりの大井川の岸辺で  」

  (浄土宗総本山知恩院機関誌 「知恩」 10月号テーマ特集 平成元年1010日発行)

 今月も 「第U部 清姫への道」 (五) を書き継ぐ。 「日本の歴史の底を流れる巨大な情念マグマ」 である。

 ○ 「難聴者の生理と心理  知られざる人間風景から   第3回 夫婦の危機」

  (全難聴機関誌 「新しい明日」 66号 198910月5日発行)

 ○コラム 「窓」 欄   「タテマエ恐こわき魔の淵の色」 (右に同じ 「新しい明日」 66号)

 ○拝啓 「天声人語」

  (朝日新聞コラム 「天声人語」 欄の1013日付、 18日付記事  寺田寅彦の句 「栗一粒秋三界を蔵したり」 の栗くりが粟あわの誤植であったとの記事  について、 私見を、 天声人語氏宛送る。 1018日即日)

 

 10月から 俳句講座に出る。

  (山科の西友ストア4階に、 コミュニティカレッジあり、 療養中の一アクセント、 心身馴らしとして、 出てみることにした。 二週間に一度。 句作は、 別冊 「句稿」 にあり。)

 

◆平成2年 1990

 ★1月

 ○ 「ほんとの若水」 (姫路難聴者の会 会報しらさぎ第7号 平成2年1月号 依頼稿)

 ★2月

 ○ 「橋をかける人 石垣さんへ」 (雑誌 80年代」 47 (2月号) 1990年2月1日刊)

 ○ 「難聴者の生理と心理  知られざる人間風景から  第4回 取り違えの笑い (1)」

  (全難聴機関誌 「新しい明日」 68号 1990年2月6日発行)

 ○ 「清姫への道」 (清姫は語る の第U部) に収める エッセイ書き継ぐ。

 俳句講座も続けている。

 ★3月

 ○ 「人間の〈交わり〉と、 言葉と、 聴覚障害と」 (厚生省社会局更生課監修 日本障害者リハビリテーション協会編集  「障害者の福祉」 1990年3月号 特集・手話  新たな展開平成2年3月1日発行)

 ★4月

 ○ 「清姫への道」 (清姫は語る の第U部) に収めるエッセイを書き継ぐ。

 ★5月

 ○ 「要約筆記の呼称について」 (全難聴機関誌 「新しい明日」 69号 1990年6月12日発行)

 ○コピー仮製本版作製

 1、 「津名氏累代過去帳」

 2、 「津名氏累代系譜写」

 3、 津名輝房作・道代校註 「祖母臨終日記」 (原作は明治40年8月。 昭和57年1月に校註版作成)

 右を、 石本プリントに依頼、 30部づつ作製し、 諸分家へ、 希望数配る。

 ★6月

  「清姫への道」 のうち 「栗栖地名を探る旅」 のため富山県五箇山平村来栖へゆく。 (これまで訪ねたクルスのうちで最も遠く、 最も高い標高)

 ★7月

 ○ 「難聴者の生理と心理  知られざる人間風景から  第5回 取り違えの笑い (2)」

  (全難聴機関誌 「新しい明日」  70号 1990年7月30日発行)

 ★8月

 ○猛暑で山科の部屋は42度に達す。 「清姫は語る」 の第T部 「参考メモ」 書き継ぐ。

 ★11

 ○ 「難聴者の生理と心理  知られざる人間風景から  第6回 紫煙の音楽」

  (全難聴機関誌 「新しい明日」  72号 19901113日発行)

 ★この年、 後半期

  「清姫への道」 (清姫は語るの第U部) に収録するエッセイを書き継ぐ。

 序章 情念史のなかの清姫 78 400字詰換算)

 剣の章 130

 桜の章…途中

 鐘の章…途中

 ワープロのおかげで書くことと編集が進むのは大変ありがたいが、 あれもこれもとつい枝葉がひろがり、 収拾がつかなくなりはせぬかと心配である。

 

 肝炎療養 秋で満三年を迎えた。 一時はこのままユク (傍点) かと覚悟したが、 どうやら持ち直しそうである。

 体力がだいぶ付いてきたことが自身感じられる。 医師 (漢方の内炭先生) の話では、 なお2年は現状のまま、 慎重に静養が必要とのこと。

 

◆平成3年 1991

 ★1月

 全難聴法人化への一環として 「難聴者宣言」 を作製委員会で作ることになり、 試作

 ○ 「人間としての難聴者宣言  自覚と連帯」

 ★2月 

 ○ 「難聴者の生理と心理  知られざる人間風景から  第7回 音 (楽) 奪還の工夫 (1)」 (全難聴機関誌 「新しい明日」  73号 1991年2月13日発行)

  (2月) 「全国要約筆記問題研究会」 の研究誌編集部から要約筆記の本質と理念につき論文依頼。 上中下三回に分けて書く。 「介助通訳としての要約筆記  要約筆記の本質と理念」 400字詰38枚。 ただしこの研究誌、 いつ出るやらわからない。

3月ころから、 右足膝徐々に痛みひどく、 殆ど歩行困難となる。 愛生会病院の話では、 半月板の軟骨がペラペラになっており、 手術の必要ありと。

 父上も徐々に悪い折から困った。

 父上、 先日見舞ったさい、 下の世話すると、 どうも下血があるようだ。 寮母さんに尋ねると、 それが判って、 すぐ看護婦にも日誌で知らせたのだが、 手当がない、 とのこと。

 早速、 施設長に報告し、 翌日直ちに向井病院でレントゲン撮影してもらう。

 下向結腸癌である。

 ただ年齢 81才) だから、 そう進行すまい。 また現在のところ、 転移は認められないとのこと。 それで手術はしないことにする。 本人には病名を言わぬことにし、 私一人にとどめる。

 ★4月

 ○ 「難聴者の生理と心理  知られざる人間風景から  第8回 音 (楽) 奪還の工夫 (2)」 (全難聴機関誌 「新しい明日」  74号 1991年4月7日発行)

 ★5月

 右脚、 ついに激痛で動けなくなり、 5月13日手術 (愛生会山科病院整形外科にて) 29日、 一応退院す。 病院と部屋 (若竹荘) とは、 路1つ隔てた向かい側ゆえ、 松葉杖にて通院す。

 ★6月

 父上、 いよいよ悪くなり、 松葉杖のまま、 和歌山へ帰り、 そのまま向井病院に泊まりこんで (つまり、 私も整形外科患者として入院して) 看護にあたる。

 ★8月

 ○ 「難聴者の生理と心理  知られざる人間風景から  第9回 音 (楽) 奪還の工夫 (3)」 (全難聴機関誌 「新しい明日」  75号 1991年8月18日発行)

 ○ 「『介助通訳』 としての要約筆記  要約筆記の本質と理念  」 上・中・下 (本年の二月の項にあり、 その3回分一挙掲載) (全国要約筆記問題研究会・研究誌 「要約筆記問題研究」 第2号 1991年8月31日発行)

 ★10

 ○ 「公益法人の自覚をもって 基本的人権《聞こえの保障》推進に全力を」 (全難聴法人設立記念号 「福祉〈真〉時代」 「新しい明日」 改題 19911031日発行)

 これらはすべて今年年頭に用意してあったもの。

 

 1031日午後5時半 父上・肇死去。 その後、 1992年の4月末に、 諸世事手続き一応了え、 8月初盆、 10月一周忌まで忙殺。

 

 ★12

 ○ 「難聴者の生理と心理  知られざる人間風景から  第10回 音 (楽) 奪還の工夫 (4) 文学のなかの音 (つづき)」 (全難聴機関誌 「福祉〈真〉時代」 76号 19911230日発行) (これも今年1月に編集部へ届けてあったもの)

 

◆平成4年 1992

 父上死去後の忙殺のうちにも、 徐々に山科では、 長大なる稿 (立体的構成なり) 「清姫への道=日本 「国つ神」 情念史序説」 に再び取り組みはじめる。

 序章はまずあれでよし。

 一章は、 5節の肥ひ長なが姫のところ、 舞台が出雲ではなく、 紀伊である可能性を入れればほぼ

了。

 二章は、 「トベ」 の細部、 手入れ。 全体としてはいい線。 ただ 「大和イズモ」 の節をどうするかが問題。

 三章 (「剣の情念史」 は、 ほぼこれでよし。 細部に伊吹山洞窟の竜之助入れる。

 四章 (「鐘の情念史と清姫」) 未稿 沈鐘伝説から導入。 銅鐸祭祀の原住民 (銅器鋳造技術民を含む) と寺院の梵鐘への情念 (怨念)

 五章 (「桜の情念と清姫」) これもほぼこれでよし。 細部整理。

 六章 (「女性史の視座から」) これは三十年来手がけてきたので概すじは頭の中にはほぼできている。 未稿だが。 要は 「審く」 姉の属性である。

 あと、 五、 六年はかかるかも知れぬ。

 ★4月

 ○ 「難聴者の生理と心理  知られざる人間風景から  第11回 病院寸景としての《知られざる人間風景》と、 ユーモア成立の土壌」 (全難聴機関誌 「福祉〈真〉時代」 78号 1992年4月25日発行)

 ★8月

 ○ 「思いきって 「書き方」 の方向転換を   「全部書き」 「発言自体の簡潔化」」 (京都府・市 難聴者協議会機関紙8月号 188 「京都難聴」 要約筆記特集 1992年8月1日発行)

 ○ 「難聴者の生理と心理  知られざる人間風景から  第12回 雑談風に」 (全難聴機関誌 「福祉〈真〉時代」 79号 1992年8月20日発行)

  (5月に、 全難聴 「婦人部」 規約改訂する件、 持ち上がり、 結局、 私、 作成し直す。)

  (7月に、 全難聴 「高年部」 生活実態調査の研究委員を委嘱さる。)

 ★8月

 15日に、 力りき侍し神社宮司・黒柳淳氏、 来宅。 同神社の由来・祭神・歴史・郷土史的背景など古文書も整理して、 キチンと書いてほしいと言われる。 お盆に神主さんとは思いがけない。

 書けば、 これ、 なかなか大変なことである。

 和歌山のその方面の学者諸氏・神官教職氏などに当たってみたが、 みなうまく逃げられたらしい。 そうであろう。 そして結局、 地元に居てるやないか、 となったようである。 なるほど、 私は力侍神社の氏子である。 生まれてお宮参りもここへした。 産土神である。

 そして、 考えた。

 私はいわゆる神道学はシロウトである。

 しかし、 日本の宗教思想史の研究者のハシクレではある。 それに、 近年は特に日本 「国くにつ神かみ」 情念史にウツツを抜かしている。

 力侍神社はいわゆる名神大社や著名神社ではない。 ただの村社である。 しかし、 叩けば紀州太古の隠された歴史のホコリ (塵) が濛もう々もうと舞い上がる性質の神社である。

 未だかって、 力侍神社を書いた者は誰もない。 それのみか、 名草郡太古の隠された歴史の真相をも、 「国くにつ神かみ」 (土つち神がみ=土つち蜘ぐ蛛も) の視座からキチンと書いた人すらいない。

 私が書けば、 現状では、 荒唐無稽と困惑されるものになろうことは目に見えている。

 しかし、 私は氏子である。 氏子として、 シカと性根を据えて書くべきではないか?

 文字通り、 千載一遇の、 与えられた仕事であるかも知れぬ。

 来年は還暦でもあるのだ。

 そこで一応、 次のように段取りをたて、 8月下旬から草稿をつくりはじめた。 (他の仕事の合間を縫ってである。)

  「力侍神社  その由来と歴史背景」

  [前篇 神社案内篇]

 @力侍神社の在るところ

 A御祭神と神社の現況

  [後篇 歴史考察篇]

 B祭神 「(雨) 手力男神」 「楠本大神」 の謎   『南海道紀伊国神名帳』 が語る名草郡太古の隠れた歴史  

 C 「八王子」 神社と熊野古道の 「川辺王子」 「中村王子」

 D 「幻まぼろしの神しん樟しょう」   日本史二千年を貫く 「楠本大神」 の数奇な運命

 ★10

 ○ 「難聴者の生理と心理  知られざる人間風景から  第13回 〈要約筆記〉の書き方をめぐる筆記者と難聴者の生理」 (全難聴機関誌 「福祉〈真〉時代」 80号 19921030日発行)

 

 なお、 本年後半期に、 栗山恵子さんの助力を得て、 かねて要望のあった 『聴覚障害への理解を求めて 発言A』 の編集にかかった。

 殊に難物は、 滋賀県立湖南寮での講演の整理編集である。 (これは栗山さんに殆んど頼む)

 印刷は、 現在の全難聴機関誌の印刷所、 鈴木印刷 (茨城県水戸市、 茨城県難聴者協会会長・鈴木薫氏) に依頼することとした。

 来年上半期、 出版のつもりで運び中。

 

◆平成5年 1993

 今年還暦。

 昨夏から引き続き 『力侍神社と名草郡太古の隠された歴史』 の稿を進める。 現在第三章の終わりの方。

 年頭に当り、 しばらく書くのを中断しているライフワーク 『日本 「国つ神」 情念史』 を既稿分、 全体 (序章〜五章) 読み直す。

 ★1月

 ○ 「生年60歳・失聴50年 ヘンテコな雌めん鳥どり」

  (全難聴機関誌 「福祉〈真〉時代」 81号 1993年1月刊 酉歳特集)

 ○ 「現代の難聴者と過去の難聴者 (1)   世と連れもて行くには?」

  (和歌山県中途失聴者難聴者協会会報 「くろしお」 70号 1993年1月17日刊 新連載)

 ★2月             

 ○ 「現代の難聴者と過去の難聴者 (2) 補聴器と連れ添う  1」

  (和歌山県難聴者協会会報 「くろしお」 71号 1993年2月21日刊)

  〔講演〕 「聴覚障害者福祉と難聴者の生理・心理」 (第4回宝塚市 「耳の目の集い」 1993年2月28日 於 宝塚市総合福祉センター)

 この一、 二月も 「力侍神社」 の後篇第3章5節書き継ぐ。

 ★3月

 ○講義 「要約筆記の書き方をめぐる筆記者と難聴者の生理について」

  (京都府要約筆記奉仕員全体研修会 1993年3月6日 於 京都教育文化センター)

 ○ 「現代の難聴者と過去の難聴者 (3) 補聴器と連れ添う  2」 (和歌山県難聴者協会会報 「くろしお」 72号 1993年3月21日刊)

 ○ 「高年難聴者の生活意識  苦労を踏まえた〈充実感〉の意識高い 医療現場・養護施設での〈聞こえの保障〉を強く期待」 「全難聴」 高年難聴者生活意識実態調査報告書 1993年3月31日刊 視点論文)

 

 目下、 単行本 『聴覚障害への理解を求めて  発言A』 の編集を、 栗山恵子さんの協力を得て進めている。

 収録内容は 『同、 発言@』 198711月) 発行からあとの、 論考・講演などである。

 論考やエッセイ短文は、 全難聴機関誌をはじめ、 厚生省監修の月刊誌 「障害者の福祉」 など、 関係諸誌に発表されたものが殆ど。

 いずれも、 今回は発言@より、 かなり固い内容の論考が多い。 そこで、 次の短文をも書き下ろしで加えた。

 ○共感流ば行やりと共感能力

 ○ 「完全参加と平等」 裏ばなし

 ○要約筆記ボランティア秘話杉野はいずこ(*メモ参照)

 ○真に必要な種類のTV番組には 「字幕」

 ○耳なし芳一堂を訪ねて

 その他、 昭和60 1985年) 頃の、 短いエッセイも少し入れるかもしれぬ。

 全難聴も、 ここ6〜7年、 徐々に各専門分野の活動が本格化しだしたので、 私もその方面の書き物、 例えば、 要約筆記問題の論稿とか、 婦人部・高年部関係とか、 理論づけ、 方向性を模索するかなり長い論文がふえた。 『発言@』 のさいのようには、 いかない。)

 そこで、 『発言A』 は内容が固くなり、 読物としては少し困る。

 そこでいろいろ工夫しているのである。

  (*メモ) この 「要約筆記ボランティア秘話杉野はいずこ」 は最終段階で不載とした。

   和歌山要約筆記ボランティアの一人に杉野翁がおられ、 皆に〃杉野はいずこ〃などと敬慕されるお人柄である。 それが驚いたことに、 ほんとうに、 杉野さんはこの歌の主人公のお孫さんであることが分かった。 この歌は若い人には知られないが、 日露戦争のさい、 旅順港閉塞決死隊で戦死した 「軍神広瀬中佐」 の歌の一節である。 「杉野平曹長はいるか〜!」 と探すうちに、 広瀬中佐は砲弾で一片の肉も残さず飛散る。 杉野兵曹長はもちろん死んだと思われていた。 しかし、 彼は生きていた。 闇の中、 砲弾の交叉炸さく裂れつする船上で、 中佐の声が聞こえなかったのである。 そのため、 母艦を沈めて旅順港を閉塞してのち、 統率する部下をボートに収容、 退去するさい、 行動が遅れ、 広瀬は戦死。 軍神となった。 だが、 闇夜の海に投げ出され、 泳いで杉野は生還した。 ここで、 国民人気の上から、 杉野兵曹長が生きている  では具合が悪くなった。 彼は 「戦死」 とされ、 秘かに満州に送られ、 氏名を変えて存在させられた。 その苦難は妻子にも及んだ。 杉野姓に戻れたのは、 第二次大戦後という。 要約筆記ボランティアの杉野さんは、 その孫であった。 (この稿、 どうもやっぱり……との御心情であり、 プライベイトを尊重。 不載。)

 

 ★4月

 ○ 「難聴者の生理と心理  知られざる人間風景から  第14回 第U部に入るに当って」 (全難聴機関誌 「福祉〈真〉時代」 82号 1993年4月 (5月20日発行))

 ○ 「現代の難聴者と過去の難聴者 (4)   大朗報 「聴覚障害者」 外来の創設  大津市琵琶湖病院  」 (和歌山県難聴者協会会報 「くろしお」 71号 1993年4月1日刊)

 ★5月

 ○ 「現代の難聴者と過去の難聴者 (5)   補聴器と連れ添う 3 ある対話」 (和歌山県難聴者協会会報 「くろしお」 74号 1993年5月16日刊)

 ★6月

 ○ 「現代の難聴者と過去の難聴者 (6)   補聴器と連れ添う 4 頭にきちゃった話」 (和歌山県難聴者協会会報 「くろしお」 75号 1993年5月16日刊)

 ★7月

 ○ 「現代の難聴者と過去の難聴者 (7)   補聴器と連れ添う 5 頭にきちゃった話 (つづき)」 (和歌山県難聴者協会会報 「くろしお」 76号 1993年6月18日刊)

 ○話 「《日本 「国つ神》」 情念史 序説」 (野草塾 第14回 於 京都府綾部市睦寄町山内 「あやべ山の家」 1993年7月30日〜8月2日 私の担当は7月31日午後)

 ★9月

 ○ 「難聴者の生理と心理  知られざる人間風景から  第15回 〈障害の受容〉をめぐる諸問題 (1)」 (全難聴機関誌 「福祉〈真〉時代」 83号 1993年8月 (9月12日発行))

 ★10

 ○ 「奥上林の燎かがり火び」 (野草社 『自然生活』 第6集 19931010日発行)

 ★11

 ○ 「難聴者の生理と心理  知られざる人間風景から  第16回 〈障害の受容〉をめぐる諸問題 (2)」 (全難聴機関誌 「福祉〈真〉時代」 84号 199311 (実際の刊行は、 1994年1月2日)

 ○ 「現代の難聴者と過去の難聴者 (8)  吉田マリ子さんの快挙 毎日新聞 「郷土提言賞」 論文受賞」 (和歌山難聴協会報 「くろしお」 79号 199311月号)

 ★12

 ○ 「現代の難聴者と過去の難聴者 (9)  吉田マリ子さんの快挙 毎日新聞 「郷土提言賞」 論文受賞 (つづき)」 (和歌山難聴協会報 「くろしお」 80号 199312月号)

 

 今年はあっという間に過ぎた。

 [歴史] の方では

 一、《日本 「国つ神」 情念史》の書き継があり、

 二、 『力侍神社』 の執筆があった (これも継続中)。

 [難聴者福祉] の方では、

 一、 連載は

 1、 全難聴機関誌 「福祉〈真〉時代」 「難聴者の生理と心理」 がようやく第U部に入った。

 2、 和歌山県難聴者協会会報の 「現代の難聴者と過去の難聴者」 (これは毎回が短いから助かる)

 二、 出版 『聴覚障害への理解を求めて  発言A』

 これは12月現在、 再校了の段階。 来年2月に出版できれば上々ではないか。

 

 今年は、 講演は皆ことわった。 (野草社だけにした)

 一つを引き受ければ、 なし崩しになるし、 今年の上半期は体調もよくなかったので。

 

◆平成6年 1994

 ★1月

 ○ 「難聴者の生理と心理  知られざる人間風景から  第17回 〈障害の受容をめぐる諸問題 (3)」 (全難聴機関誌 「福祉〈真〉時代」 85号 1994年1月 (実際は3月2日刊)

 ★2月

 ○ 「日本 「国つ神」 情念史への道 (上)」 (野草社 『自然生活』 第7集 1994年2月10日発行)

 ○話 「日本民族の情念史と 自我形成の問題」 (野草社塾第15回 於 静岡県引佐郡引佐町奥山方広寺 1994年2月10日〜13日)

 ★4月 

 ○話 「大和郡山の古代の流れについて」 (於 大和郡山市福祉会館 午後1時〜4時。 4月13日)

 名草トベ遺跡めぐり (4月24日)

 ★5月

 中旬、 二十年前の 「花泉」 連載稿 「元禄師弟道中  芭蕉星座」 の単行本化の話、 野草社より具体化す。 今年は芭蕉生誕350年、 没後300年なればなり。

 ★6月

 2日 京都八坂神社  「全国清々会」 でちょっとした話をする。 (伊太祁曽神社宮司・奥鈴雄氏の紹介で)

 ○ 「難聴者の生理と心理  知られざる人間風景から  第18回 〈障害の受容をめぐる諸問題 (4)」 (全難聴機関誌 「福祉〈真〉時代」 86号 1994年6月30日刊)

 ★7月

 ○ 「日本 「国つ神」 情念史への道 (中)」 (野草社 『自然生活』 第8集 1994年7月15日発行)

 ○話 「熊野のかくれた歴史と丹敷トベ」 (野草塾第16回 於 和歌山県東牟婁郡那智勝浦町青岸渡寺 1994年7月23日〜27日)

 ★8月

 4月に申し込んであった自動車普通免許教習の件、 やっと山科の洛東教習所で可能となり、 8月23日入所式。 (5月より教習料上るので申込者立て混み、 この結果となった。 私としては5─7月に教習し、 8月の還暦誕生日 (8月21日) までに免許を取得する予定であった。)

 このため、 目下進行中の2冊の著書の製作、

 1 『聴覚障害への理解を求めて  発言A』

 2 『芭蕉星座』

と重なり、 極めて多忙となる。

 自動車学校は、 行ける範囲で月間一週間以内とする。

 ★9月

 

 〔著書出版〕

  『聴覚障害への理解を求めて  発言A』

  発    所 社団法人 全日本難聴者中途失聴者団体連合会

  発    者 高岡  正

  写真・挿画 著者

  編集協力・本文イラスト 栗山 恵子

  写 真・資料協力

        全 難 聴

        日本リハビリテーション協会

        和歌山難聴協

        和歌山要約筆記会

  印    所 有限会社 鈴木印刷

  発行年月日 1994年9月25

        A5判 196ページ

  定   価 1,380

 

 ○ 「難聴者の生理と心理  知られざる人間風景から  第19回 〈障害の受容〉と〈世界の受容〉(1)」 (全難聴機関誌 「福祉〈真〉時代」 87号 1994年9月25日刊)

 ★10

 ○ 「福祉制度について」   障害者基本法のポイント聴覚障害福祉の展望  於 第3回全国難聴者福祉大会 (兵庫大会) 10月1日〜3日 第一分科会 兵庫県城崎郡城崎町

  1028日洛東自動車教習所にて 技能修了検定合格 70点 同学科合格 100点 仮免許受ける)

 ★11

 ○話 「早池峯・熊野・賢治」 (第17回 野草塾 於 岩手県遠野市早池峯神社 1994年 11月3日〜7日)

 

 〔著書出版〕

  『芭蕉星座』

  発    所 京都 野草社

  発    者 石垣 雅設

  発 売 元 東京 新泉社

  装   丁 中山 銀士

  印    所 太平印刷所

  製   本 関本製本

  発行年月日 19941114

        A5判 二段組 387ページ

  定   価 3,296 (税込)

 

新聞・雑誌などの 「広告」

週刊朝日 週刊文春など 10月第1週に、 「近刊」 として

朝日新聞  1111日 朝刊 第一面下欄 (東京本社版)

      1113日 朝刊 第一面下欄 (大阪朝日版)

京都新聞  1216日 朝刊第一面 下欄

 

書評

産経新聞 1220 (火曜) 朝刊 13ページ 読書欄

 1221 (水) 自動車教習 卒業検定 (技能) 合格 75点 午後卒業式)

 

◆平成7年 1995年)

 ★1月

  『芭蕉星座』 の紹介 「和歌山新報」 平成7年1月11日号 第一面 編集手帳欄

  (1月11日 住民登録のある和歌山市の自動車交通センターで卒業学科試験受ける。 合格。 同日、 普通車運転免許証交付。)

 1月17

 午前5時47分 阪神淡路大震災あり。 戦後初めての大都市直下型の大地震にて、 被害甚大。

鉄筋高層ビル、 高速高架道路などの壊滅、 まことに物質文明のモロサ現前たり。

かつ水道等ライフラインの崩壊により消火もままならず、 長田区など延々と燃えるにまかせたるさま、 かの空襲時を回想せしむ。

 ガレキの下に一瞬に埋もれし人々、 救出能はず。 死者五千余人。 被害者数ふべからず。

 この日、 私、 山科にあり。 激震に目覚め、 そのまま様子伺いて床中を出でず。

 翌日、 電話やっとつながり、 翌々日、 大阪周辺の電車始動を待って、 和歌山の自宅に急ぎ帰る。

 川辺の拙宅は、 水道管破裂、 風呂などに、 壁面タイル少々亀裂、 剥落す。 紀ノ川河原は、 50メートルにわたり亀裂す。 京都は震度5、 和歌山は震度4なるに、 右の現状は何ぞや。

 全難聴、 直ちに対策本部を地元宝塚と東京事務局に設置、 被災会員援助に入る。

 ★2月

 ○ 「難聴者の生理と心理  知られざる人間風景から  第20回 〈障害の受容〉と〈世界の受容〉(2)」 (全難聴機関誌 「福祉〈真〉時代」 88号 1995年3月5日刊)

 …表紙には 88 1995・2」 とあり。)

 ★3月

 ○ 「被災者の皆様 頑張り過ぎず、 たくましく」 (兵庫県難聴者協会会報 「ひびき」 1995年3月 大震災特集号)

 3月19日 東京霞ヶ関地下鉄にてサリン (毒ガス) 事件発生。 ついで、 22日、 山梨県富士山麓上九一色村のオウム真理教教団施設へ警察の捜査隊二千余名入る。

 このあと、 本年前半期は、 阪神大震災と一連のオウム真理教事件で塗りつぶされ、 あっという間に過ぎた感あり。

 今年は戦後満51年。

 力侍神社後篇第4章 「川辺王子」 「中村王子」 書き継いでいる。

 ★7月

 ○ 「日本 「国つ神」 情念史への道 (下)」 (野草社 『自然生活』 第9集 1995年7月1日発行)

 ○ 「難聴者の生理と心理  知られざる人間風景から  第21回 〈障害の受容〉と〈世界の受容〉 (3)」 (全難聴機関誌 「福祉〈真〉時代」 90号 1995年7月20日発行)

  『芭蕉星座』 の書評 入谷仙介氏 (「福祉〈真〉時代」 90号)

 ★11

 ○ 「難聴者の生理と心理  知られざる人間風景から  第22回 〈障害の受容〉と〈世界の受容〉 (4)」 (全難聴機関誌 「福祉〈真〉時代」 91号 19951112日発行)

 ○ 「とこしえの遺産 「和と団結」   藤原猛氏追悼」 (全難聴機関誌 「福祉〈真〉時代」 91号 19951112日発行)

 

 夏より秋一杯、 『力侍神社』 の後篇第2冊 「川辺王子・中村王子」 草稿に、 もうひとつ納得できぬものを感ず。

 これまでの 「熊野九十九王子」 関係の書物には全く触れておらぬ、 主要王子 (宿泊・昼養御所など) を実際に支えた在地勢力についてである。

 それは私稿の直接対象である 「川辺・中村」 両王子の在り処 (つまり誘致や奉仕実務を含めて) とも関係する。 紀北の右主要王子は、 いずれも古代における秦はた氏の蕃ばん居きょした地なのである。

 川辺・中村両王子の、 行路上の迂回については、 私稿では、 @広称川辺地域における湿地帯迂回の余儀なさを提起した。

 しかし、 もう一つ、 A政治的理由 (秦氏の)、 も考えに入れなくてはならぬのでは?と考えるに至った。

 それは、 後世、 江戸時代中期における中村 (二十五本松) 集落強制移転にもみられるような、 政治的差別問題ともからむことかもしれない。 それ故かどうか、 これまで 「熊野古道九十九王子」 関係の研究は、 どうもつるりと上撫でに終始して来たように見られる。 (突つけば藪蛇になると避けるゆえか…?)

 夏から秋にかけて、 考えつづけ、 調べつづけ、 十一月に至り大体の真相の具体はつかみ得たと思う。

改稿の青写真も、 頭の中でできた。

 問題点は、 この問題が、 書くことによって、 現在の人々の生活に、 要らぬ迷惑を及ぼさぬかどうか  である。

 目下、 迷い、 じっと今しばらく気持ちの定まるのを待っているところである。 定まった時点で、 改稿をしようと思っている。

 

◆平成8年 1996

 ★1月

 ○ 「清姫は語る  鉱床秘図  」

  (野草社 『自然生活』 第10集 1996年1月1日発行)

  (但し、 右の作は、 サンケイ新聞和歌山版の昭和61年4月8日〜9月30日、 連載物の転載である。)

 野草社から近刊予定の《日本 「国つ神」 情念史》シリーズの第1巻は、 左の構成のつもりである。

 第T部 清姫は語る (右の稿)

 第U部 清姫への道 (清姫関係の諸エッセイ)

 第V部 悪女の系譜

 ○ 「難聴者の生理と心理  知られざる人間風景から  第23回 〈障害の受容〉と〈世界の受容〉(5)」 (全難聴機関誌 「福祉〈真〉時代」 92号 1996年1月30日発行)

 ★2月

  「自然生活」 11集より《日本 「国つ神」 情念史》シリーズの第二巻 「トベ」 順次掲載予定で、 これまでの稿の推敲。

  「序章 トベ達のいた時代」 まとめ 送稿 400字×55

 追悼稿 「矢追さんと司馬さん  日本原住民 「国く栖ず」 の叡智と慈悲」 も送稿 25

 ★3月

 30日 突然、 大量の血尿あり。 以後、 検査、 通院など重ね、 半療養に入る。 (腎臓・膀胱の癌の疑いを入念に検査しつつ)。

 ★6月

 ○ 「難聴者の生理と心理  知られざる人間風景から  第24回 〈障害の受容〉と〈世界の受容〉 (6)」 (全難聴機関誌 「福祉〈真〉時代」 93号 1996年5月発行)

 ○講演原稿 「奈良県中途失聴・難聴者協会 発足十周年記念会に寄せて」 (これは記念講演にゆくはずが、 療養のため、 不参となり、 原稿を送り記念誌に掲載のもの。 記念会は6月23日。)

 ★7〜8月

 依然、 半療養を続ける。

 暑さ、 体こたえ、 かつ、 口腔外科の小手術もあり、 おおいに苦しむ。

  「力侍神社」 の前篇 (神社案内篇) の推敲をする。

 ★9月

 〔著書出版〕

  『改訂再版 聴覚障害への理解を求めて 発言@』

  発    所 社団法人 全日本難聴者中途失聴

        者団体連合会

  印    所 有限会社 鈴木印刷

  発行年月日 1996年9月5日

  新 定 価 1,380

 (これは、 初版  19871112日発行  が、 かねて品切れのため、 誤植など改訂して、 再版したもの。)

 ★10

 ○ 「難聴者の生理と心理  知られざる人間風景から  第25 〈障害の受容〉と〈世界の受容〉は一人々々の内なる〈世界創造〉から」 (全難聴機関誌 「福祉〈真〉時代」 9419961024日発行)

 この連載の第U部は、 今回で了り。

 

◆平成9年 1997

 ★1月

 ○ 「トベ達のいた時代」 (野草社 『自然生活』 11集 1997年1月1日発行)

 これは 「国つ神」 情念史シリーズの第二巻 「トベの情念史」 の序章である。

《日本 「国つ神」 情念史》シリーズは、 20数年前から徐々に私のなかで芽生え、 成長して来たものである。

 それは結晶というより、 一種混沌とした複雑系の様相を示して、 試行錯誤の歳月が長かった。

 幹となる部分は、 〈日本 「国つ神」 情念史への道〉に記した通りであるが、 途中、 特に山科に部屋を持った15年前頃からは、 「日置・舟木の立地探索」 や、 「栗栖地名を探る旅」 などの枝葉に主力を注いた時期もあった。 これらもむろん、 幹を養う養分となっていること小さくない。 また、 それぞれの主題について、 これまで全く掘られていない分野の、 それなりに大きな基本的な発見もあったつもりだ。

 その頃からワープロを使いだしたが、 幹の部分の清姫からはじまって、 蛇と剣、 桜、 トベ   これらの草稿も、 幾十度改稿を繰り返したか、 ほとんど恥ずかしいばかりである。 いや、 そういう繰り返しの中から、 徐々に全体の樹相というか、 構造が、 幾たびも姿を変えながら、 やっと現在のようになって来たのであった。

 〈情念史〉という設定自体は、 たとえ一種の史眼といえるほどの説得力はなくとも、 私独自のものである。 この3字を得るために、 もの書き、 歴史研究者として、 鈍根な私は、 十代から四十年近くを費やした、 ともいえる。

 そして又、 〈情念史〉が、 tool としては〈史耳〉による、 ということを振り返れば、 この情念史シリーズと言う一連の書きものは、 文字どおり私の personality 全面を動員した作物 (一般にいう life work といえるかもしれない。

 構想としては、 余りに枝葉を茂らせ過ぎた感がなくもなく、 おそらく途上で死を迎えるであろうが、 まあ、 寿命の続く間は、 書き続けることになろう、 と思う。

 ○ 「矢追さんと司馬さん  日本原住民 「国く栖ず」 の叡智と慈悲」 (野草社 『自然生活』 11集 1997年1月1日発行)

 ○ 「難聴者の生理と心理  知られざる人間風景から  」 26回 大峰山伏 「無言の行」 と難聴婦人 (全難聴機関誌 「福祉〈真〉時代」 95号 1997年1月21日発行)

 連載の第U部が終わり、 今回一回 「休憩室」 のようなもの。

 次回から第V部に入る。

  (今ちょっと調べてみたら、 この生理と心理の連載は、 平成元年に始まっている。 全難聴の機関誌は季刊とはいえ、 すでに連載9年目に入った。 あと2,3年はかかろう。)

 ★2月

 ○ 『歴史推理 力侍神社のわらべ歌』 (自費出版)

 これは、 『力侍神社  その来歴と紀北太古の秘められた歴史』 のうちの 「前篇・神社案内篇」 の付録である。

 小冊子 A5判 30ページ

 1997年2月8日 発行

 発行所 力侍神社

  『力侍神社』 は、 前篇1冊、 後篇3冊となるから、 右の前篇付録

  「わらべ歌」 の部分のみを小冊子として、 500部自費で作製、 希望者 (氏子その他) に配ってもらうこととした。

 

 ○インターネットホームページ 「おおいなる姉あねたち  日本史のなかの女性」

 昨年暮れより、 奈良女子大図書館司書 (後輩) の岡田暎子さん、 山科に来室、 同図書館が今度インターネットに 「女性問題・女性史」 関係のホームページを開設するとのこと。 ついては、 該当する適当な作品や資料があれば見せろという。

 私としては、 《日本 「国つ神」 情念史》の第一巻 「清姫は語る」 や、 第二巻 「トベの情念史」 なら、 やや適当かと思うが、 まだ単行本になっていない。

 また、 私としては 「障害をもった女性」 の問題を提起したいが、 これも 『聴覚障害への理解を求めて  発言A』 の中の論考しかない。

 他には、 こんな読物風のしかないよ、 「おおいなる姉たち  日本史のなかの女性  」

を見せたら、 岡田さんは、 こういうのがいい、 といって、 入力してしまった。

 これは 「花泉」 の連載で、 昭和42 1967年) 5月号〜44年4月号、 じつに三十年昔の若書きである。

 ありがたいことなのだろうが、 ちょっと面くらって、 はずかしくもある。 ほんとうにあんなの入れていいの?狐につままれた気持ちだ。

 ★4月

 ○ 「難聴者の生理と心理   知られざる人間風景から  第27回 山田のカガシ  

 おとしめられてゆく神」 (全難聴機関誌 「福祉〈真〉時代」  96号 1997年4月10日発行)

  (連載の第V部に入った)

 ★7月

 ○ 「清姫さんへの手紙 (一〜七)」

   これは、 〈日本 「国つ神」 情念史〉シリーズの第一巻 『清姫は語る』 の第U部 清姫への道 (エッセイ群) の中に入れるものとして書いた。

 シリーズのあとの巻 (とくに 「桜の情念史」 「鐘の情念史」) へのつなぎとして。

 

 今年は一月以来、 川辺自宅の離れの棟の改築、 4月の全難聴高年部大会 (和歌山にて)、 7月の合同年忌 (母上・祖母上の25年忌、 父上の7年忌) など重なり、 極めて多忙である。

 ★6月

 ○ 「難聴者の生理と心理   知られざる人間風景から  第28回 戦前の小学校国定教科書と視・聴覚障害者」 (全難聴機関誌 「福祉〈真〉時代」  97号 1997年6月12日発行)

 ★9月

 ○ 「難聴者の生理と心理   知られざる人間風景から  第29回 古代の聴覚障害者 奈良時代の戸籍計帳にみる」 (全難聴機関誌 「福祉〈真〉時代」  98号 1997年9月28日発行)

 ○講演 「これからの難聴者運動  がんばりすぎず・たくましく」 京都府・市・難聴者協会 主催

 時 平成9年9月28

 於 京都市中京区壬生福祉会館

 ★10

 ○ 「悪女の系譜」 (エッセイ)

   これは《日本 「国つ神」 情念史》シリーズの第一巻 『清姫は語る』 の第U部清姫への道 (エッセイ群) の中に入れる1篇として。 (のち、 第一巻の第V部 「悪女の系譜」 とすることに。)

 ★12

  『力侍神社』 コンピューター版下づくりに入る。 出口三平さんの協力を御願いする。 以後進行。

  (今春からかかっていた川辺自宅の離れの修築、 12月で一応完了。)

 

◆平成10 1998

 ★1月

 ○ 「今月の提言 ひそかなモットー がんばりすぎず・たくましく」

  (和歌山県中途失聴難聴者協会機関誌 「くろしお」 125号 平成10年1月25日刊)

 ○ 「難聴者の生理と心理   知られざる人間風景から  第30回 古代の聴覚障害者 (2) ホムチワケ皇子とタケル皇子」 (全難聴機関誌 「福祉〈真〉時代」 99号 1998年1月22日発行)

 ★2月

 ○ 「日本原住民 「国く栖ず」 の叡智と慈悲 矢追さんと司馬さん」 (大倭紫陽花邑 「おおやまと」 誌平成10年2月号 平成10年2月23日号発行) (これは、 野草社 『自然生活』 11集 1997年1月1日発行からの転載である。)

 ★3月

  『力侍神社』 のコンピューターでの編集を、 昨年暮れから、 出口三平さんの協力でして頂いているが、 〔前篇・神社案内篇〕 ほぼできあがる。 (但し、 「社殿の平成大修復」 のところは、 十月の竣工まで未定。) つづいて、 後篇の第一冊にかかってもらっている。)

 ★4月

 《日本 「国つ神」 情念史》シリーズの 「序の巻」 を、 目下全部見直し、 書き直している。 (「自然生活」 第7〜9集に連載した時のもの 150枚) が骨子であるが、 倍以上にふくらまし、 400字詰めにして370枚程度になる見込み。) (→翌平成11年4月条参照)

 ★5月

 ○ 「難聴者の生理と心理   知られざる人間風景から  第31回 千年の沈黙・筆談の始まり・補聴器のはじまり  鈴木牧ぼく之しにみる難聴者エネルギー」 (全難聴機関誌 「福祉〈真〉時代」  100号 1998年5月12日発行)

  「福祉〈真〉時代」 100号記念号 (旧 「新しい明日」 より通算) 3月・6月号の合併号として増ページ。 それでいつもより長く書いた。

 ★8月

 8月21日で満65歳になるが、 直前、 8月上旬 (5日) に突如高熱・下痢・タール便がつづき、 急ぎ入院となった。 タール便 (上部消化管出血) は一週間つづき、 その後軽快をみたが、 相つぐ検査にもかかわらず、 原因の確かなことは不明である。 9月4日一応退院。

 ○ 「難聴者の生理と心理   知られざる人間風景から  第32回 難聴障害者の社会活動と十九世紀という時代 (1)   谷 三山」 (全難聴機関誌 「福祉〈真〉時代」 101号 1998年8月25日発行)

 この校正は病院でするハメになった (上記の音羽病院入院中)。

 ★9月

 退院後は、 山科の部屋で 『力侍神社』 〔後篇・第一冊〕 の初校をしながら、 しばらくおとなしく籠居。

 ★11

  『力侍神社』 シリーズ全四冊の内容と冊は、 次の通りである (平成1011月現在)。

  〔前篇〕 神社案内篇

   全一冊・力侍神社案内

  〔後篇〕 歴史考察篇

   第一冊・祭神 「手力男神」 「楠本大神」 の謎

          『紀伊国神名帳』 が暗示する、 名草郡太古の隠れた歴史

   第二冊・ 「八王子神社」 と熊野古道   「川辺王子」 「中村王子」 考証

   第三冊・幻まぼろしの神しん樟しょう  神体樹 「楠本大神」 の数奇な運命

 

◆平成11 1999

 ★1月

 ○ 「難聴者の生理と心理   知られざる人間風景から  第33回 聴覚障害者の社会活動と十九世紀という時代 (2)   山根立庵」 (全難聴機関誌 「福祉〈真〉時代」 102号 1999年1月6日発行)

 ★3月

 ○ 「百人一夜」 の集いで話。 3月4日夜、 京都三条茶縁塾。

 ○ 「難聴者の生理と心理   知られざる人間風景から  第34回 二十世紀前半

    (1) 障害者 「人間宣言」 魁さきがけ   中途失聴・弱視の歌人 下山清 (上)」 (全難聴機関誌 「福祉〈真〉時代」 103号 1999年3月17日発行)

 ★4月

 《日本 「国つ神」 情念史》シリーズの 「序ノ巻」 を全部推敲、 書き直し、 ワープロ清書する。 400字詰換算で530枚ほどになる)

 出口三平さん、 「作品一覧」 と、 つづいて初期の 「短編随筆」 (花泉誌掲載のうち 『シャロンの野花』 に収録以後のもの)、 及び、 他誌掲載短編エッセイ、 「短編小説」 などを、 コンピューター入力してくださる。 感謝也。

 ★5月

 右同様。

 ★6月

 ○ 「難聴者の心理と生理   知られざる人間風景から 第35回 二十世紀前半   (2)

障害者 「人間宣言」 魁さきがけ   中途失聴・弱視の歌人 下山清 (中)」 (全難聴機関誌 「福祉〈真〉時代」 104号 1999年6月24日発行)

 

 前月より体調よからず、 本月2日 (金) 町塚診療所にて、 腎盂炎、 膀胱炎の診断でる。 尿状態も悪し (検査はむろん肉眼でも判然。 血尿もまじる。 昨夏の二の舞にならぬよう、 諸方へ不義理することに決める。

 ★9月

 ○ 「難聴者の心理と生理   知られざる人間風景から 第36回 二十世紀前半   (3) 障害者 「人間宣言」 魁さきがけ   中途失聴・弱視の歌人 下山清 (下)」 (全難聴機関誌 「福祉〈真〉時代」 105号 1999年9月16日発行)

 ★10

 ○電子本

   『力侍神社 前篇 力侍神社案内』

   (平成11年9月20日発行 A5判 208ページ)

 ○電子本

   『力侍神社 後篇 歴史考察篇 第一冊

  祭神 「手力男神」 「楠本大神」 の謎

     「南海道紀伊国神名帳」 が暗示する名草郡太古の隠れた歴史  』

   (平成111020日発行 A5判 184ページ)

 

 1999 (平成11年) 1231日現在、《日本 「国つ神」 情念史》関係の単行本による構成は、 次の通りである。

 今後、 全体の構造、 及び、 細部の構成も、 大きな変化はなかろうと思う。 現時点でここまで来ていると言える。

 各巻の大目次、 細目次は、 別置。

 

 《日本 「国つ神」 情念史》シリーズ

     第一巻 《清姫》の原像

     第二巻 地底の流れ 「国つ神」 情念

     第三巻 トベ達の悲歌

     第四巻 蛇と剣の情念史

     第五巻 桜の情念史

 

◆平成12 2000

 ★1月

 ○良書紹介 「村瀬嘉代子編 『聴覚障害者の心理臨床』 を読む」 (「福祉〈真〉時代」 106 平成12年1月5日発行)

 ★2月

 ○電子本

   「悪女の系譜」

   (平成12年2月3日発行 83ページ

  《日本 「国つ神」 情念史》シリーズのうち 『清姫の原像』 の巻 第V部)

 ★3月

 ○電子本

   『初期短篇 小説集』

   (平成12年3月1日発行 167ページ)

 ○ 「難聴者の生理と心理  知られざる人間風景から 第37回 二十世紀 「宇宙学の父K・ツィオルコフスキー」 (「福祉〈真〉時代」 107 平成12年3月19日発行)

 ★4月

 ○電子本

   『桜の情念史』

   (平成12年4月1日発行 A5判 200ページ

  別地図2枚、 付表、 挿図、 カラー写真、 多数)

 ★6月

 ○ 「難聴者の生理と心理  知られざる人間風景から 第38回障害を持つ近代女性 二十世紀前半の苦闘 (1) (久野久と御船千鶴子 (上))」 (「福祉〈真〉時代」 108 平成12年6月22日発行)

 ★7月

7月12日、 これまでコンピューターでデータベース化した作品群や作品一覧など、 出口さんのコンピューター故障で全部消滅したとの連絡入る。 バックアップはどうなっているか。

 ★9月

 ○ 「難聴者の生理と心理  知られざる人間風景から 第39回 障害を持つ近代女性 二十世紀前半の苦闘 (2) (御船千鶴子 (中))」 (「福祉〈真〉時代」 109 平成12年9月25日発行)

  (9日秋彼岸、 川辺へ帰省中、 風邪をこじらせ喘息性気管支肺炎を起こし、 十日間通院)

 ★12

 6日、 厚生大臣表彰にて 「身体障害者社会参加促進功労章」 を受章。 午前、 式典。 午後、 宮中にて拝謁のさい、 受章者 (三つの分野、 78名) の代表として、 天皇・皇后両殿下に 「御礼言上」 をする。 (この表彰式典は昭和24年〈1949〉に始まり、 今年は50回の節目とのこと。)

 ○ 「御礼言上文」 (平成13年3月条の 「要約筆記に支えられて」 に所収)

 

◆平成13 2001

 ★1月

 ○ 「難聴者の生理と心理  知られざる人間風景から 第40回 障害を持つ近代女性 二十世紀前半の苦闘 (3) (御船千鶴子 (下))」 「福祉〈真〉時代」 110 平成13年1月5日発行)

 ○ 「痛みと日々のくふうが、 パワーを生む  女性研究大会寸感」 「福祉〈真〉時代」 110

 ★3月

 ○ 「要約筆記に支えられて  厚生大臣表彰 式典と拝謁」 「福祉〈真〉時代」 111 平成13年3月22日発行)

 ○ 「出発と、 その前夜」 「未来にむけて  和歌山県中途失聴難聴者協会設立二十周年記念号」)

 ○講演 「難聴者の暮らし」 (厚生省通達カリキュラム 京都市要約筆記奉仕員養成講座 第三部全体会。 於 亀岡市ガレリアかめおか)

 ○3月25日 和歌山県中途失聴難聴者協会 創立二十周年記念祝賀会に於て、 協会創設会員として感謝状を受ける。

 ★6月

 ○ 「難聴者の生理と心理  知られざる人間風景から 第41回 障害を持つ近代女性 二十世紀前半の苦闘 (4) 「第二の自己」 から出発して、 コトバを求め四十年の彷徨  西川はま子の場合 (上)」 「福祉〈真〉時代」 112 平成13年6月10日発行)

 ★9月

 ○ 「難聴者の生理と心理  知られざる人間風景から 第42回 障害を持つ近代女性 二十世紀前半の苦闘 (5) 西川はま子の場合 (中)」 (「福祉〈真〉時代」 113 平成13年9月24日発行) (以前からの手指の腱鞘炎ひどくなり、 「バネ指」 となり、 9月12日、 愛生会病院整形外科で手術。 書くことなどにおおいに難渋する。 目下も同じ。)

 ★12

 ○ 「難聴者の生理と心理  知られざる人間風景から 43 障害を持つ近代女性 二十世紀前半の苦闘(6)西川はま子の場合(下)」 「福祉〈真〉時代」 114 平成131225日発行)

 

◆平成14 2002

 ★3月

 ○ 「難聴者の生理と心理  知られざる人間風景から」 44回 障害を持つ近代女性 二十世紀前半の苦闘 (7) 「第二の自己」 から出発してコトバを求め四十年の彷徨  西川はま子の場合 (下の続)」 「福祉〈真〉時代」 115 平成14年3月25日発行)

 ★6月

 ○ 「難聴者の生理と心理  知られざる人間風景から」 45回 小説 『大薩摩峠』 の中の聴障少年 「金推 (キンツイ)」 について  近代作家は障害者をどうとらえたか   (上) 「福祉〈真〉時代」 116 平成14年6月24日発行)

  (4月頃から、 11年前の手術した右膝関節痛み、 歩けなくなる。 昨秋からの手指の腱鞘炎で、 杖をつけなくなったので、 腰をカバーできなかったのが、 こたえたようだ。 整形外科へ通う。)

 ★8月

  (これは新しい作品ではない)

 ○ 「山明美現代舞踊公演 清姫は語る」

     平成14年8月31 (土) 3時、 7時

       〃  9月1日 (日) 3時

     大阪谷町劇場

 右は、 拙作 「清姫は語る  鉱床秘図」 昭和61年を、 現代舞踊化したものである。 (公演前後、 夏風邪と全身ジンマ疹に苦しんでいて、 観にゆけず、 山さんに申し訳なかった。)

 ★9月

 〔著書出版〕

  『内蔵助くらのすけ、 蜩ひぐらしの構かまえ』

  発 行 所 滑C鳴社

  印刷・製本 潟Vナノ

  発行年月日 2002年9月10

        46判 452頁 第一刷発行

  定   価 2,800

 ○ [紹介新聞記事]

  毎日新聞 (大阪本社版) 20021218 (水曜)

  「忠臣蔵」 の吉良邸討ち入り 大石に 「差別否定」 の思い

   (学芸部・北出昭記者取材)

 

 ○ 「難聴者の生理と心理  知られざる人間風景から 第46回 小説 『大薩摩峠』 の中の聴障少年 「金推 (キンツイ)」 について  近代作家は障害者をどうとらえたか   (中)」 「福祉〈真〉時代」 117 平成14年9月13日発行)

 

◆平成15 2003

 ★1月

 ○ 「難聴者の生理と心理  知られざる人間風景から 第47回  (連載 最終回)  小説 『大薩摩峠』 の中の聴障少年 「金推 (キンツイ)」 について  近代作家は障害者をどうとらえたか  (下)」 「福祉〈真〉時代」 118  (新年号) 平成141222日発行)

 [付記]

 右の連載は、 全難聴機関誌 (季刊) に満十四年 (足掛け十五年)、 第T部、 第U部、 第V部と書き継ぎ、 今回を以て完了した。

第T部、 [新しい明日] (当時の誌名) 63 (平成元年 1989年) 5月22日発行) から、 47 (今回) まで。

 長帳場であり、 かつ、 本人の私的事情も、 特に前半は父の看護、 本人の病気 (肝臓炎、 膝の手術など)、 父の死去その他、 後半も二度の入院を経験する中での連載で、 生命あって完の字を入れ得るか、 ひそかに危ぶんだが、 ほぼ季刊とはいえ、 途中一回の休載もなく、 ここまで来れたのは、 全く、 皆さんの御支援の賜物であった。

 私が障害者関係の作品でこのような長い、 まとまったものを書くことは、 もうないだろう。

 ★1月

 ○ [丸いお餅 四角いお餅] (和歌山県中途失聴・難聴者協会機関紙 「くろしお」 185平成15年1月26日発行)

 ★2月

 ○講和 「赤穂義士 300 年〈追悼のつどい〉」 トーク。

  (平成 15年2月4日 午後6:00−9:00 主催:山科義士まつり実行委員会。 於:山科区 ホテルブライトンシティ 山科の間 (3F大広間))

 トークは山科の大石神社宮司・進藤秀保氏と私。 後刻、 参加者との懇談も。 毎年は 1214日の義士行列をピークとする12月の 「山科義士まつり」 だけであるが、 今冬はこれに加え、 2月4日 (元禄16年) の切腹の日より300年の本日、 この〈追悼のつどい〉が明治以来の地元実行委員会と山科区役所もあげて共催のように実行された。

 ★3月

 [書評] 入谷仙介氏による 「津名道代著 内蔵助、 蜩の構え」 (全難聴機関誌 平成15年3月10日発行)

 ★4月

 左膝変形性関節症・半月板損傷・靱帯損傷にてかねてより手術や通院をしていたが、 4月16日急に激痛、 歩行全く不能となり、 愛生会山科病院整形外科へ入院。 6月21日退院。 在宅介護ホーム・ヘルパー (週二回1.5時間) を受けつつ、 リハビリを継続。

 ★5月

 ○直撃インタビュー 「この人に訊きく」 著述家・ (社) 全難聴元相談役 津名道代氏 (「全難聴」 機関誌 『難聴者の明日』 120 (通巻)  平成15年5月30日発行) (誌名、 今号より、 右のように改題。 「新しい明日」 「福祉〈真〉時代」 「難聴者の明日」)

 ★12

 歳末近く、 年賀状も例年の如く発送了え、 山科の部屋 (若竹荘) の片付け・正月飾りも了え、 和歌山自宅へ正月準備に帰ろうとした1220日、 暖冬の今年初めて冷え込んだ朝、 左胸に鈍痛をおぼえ、 町塚診療所で心電図撮影の結果、 直ちに愛生会山科病院緊急外来へ。 そのまま狭心症ということで入院。

 明けて2004年1月6日心臓冠動脈カテーテル検査。 1月26日退院。 薬餌療法に入る。

 

◆平成16 2004

 ★3月

 ○書評 「『あなたの声が聴きたい』 を読む」

  (「難聴者の明日」 123 平成16 2004 3月20日発行。

  『あなたの声が聴きたい  難聴・中途失聴・要約筆記』 藤田保・西原泰子編 文理閣)

 ★5月

 ○ 「胎動から誕生まで」 (編集‥(社)全難聴白書作成編集委員会、 発行‥(社)全難聴女性部、 『難聴女性白書』 「女性部の歩み」 のうち。)

 ★8月

 ○ 「こうして難聴生理は、 巨匠・阿あ波わ野の青せい畝ほ晩年の名句を生んだ」 を、 現在出版作業進行中の 『難聴 知られざる人間風景』 (上下2巻) 第T部の追加稿として書きおろす。 400字詰91枚)

 

◆平成17 2005

 ★2月

 ○ 「陽関の人・入谷仙介博士に捧げる  人間として生きる勇気を、 ありがとう」

  (『人生に素風有り 入谷仙介先生追悼文集』

 編集並発行 入谷仙介先生追悼文集編集委員会

 発売元 研文出版 2005年2月28日 第1刷発行)

 ★7月

 〔著書出版〕

  『難聴 知られざる人間風景 上巻  その生理と心理』

  『難聴 知られざる人間風景 下巻  日本史に探る聴覚障害者群像』

  発 行 所 図書出版 文理閣

        2005年7月10

        第1冊発行

        A5判 2段組

        上巻269頁 下巻260

  定   価 2,000 (上・下巻とも)

 ※この上・下巻とも、 7月20日付で 「日本図書館協会選定図書」 に選定された。

 ※ 〔著書と著者紹介〕

  京都新聞2005年7月31 「読書」 「ページの向こう」

 

◆平成18 2006

 ★3月

 ○書評 山口利勝氏による 「津名道代氏 『難聴 知られざる人間風景上・下』」 (「難聴者の明日」 No.131. 2006年3月刊)

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